経理業務を効率化する際のアプローチポイント ~例を交えて説明します~
~⏰️この記事は3分で読めます~
会社を経営していると悩まされるのが日々の経理業務です。
経理業務は売上を生み出すものではないため、あまり時間をかけたくない業務なのかと思います。
最近では経理人材の不足もあるので、経理業務の効率化がより必要とされている時代です。
また、経理業務が非効率だと適切な数値を追うことができず、適時に数値の把握ができなくなり、経営判断が手遅れになる恐れもあります。
今回の記事では、経理業務を改善するにあたり、どのようなアプローチを取ればいいのか、ポイントとなる視点を解説したいと思います。
この記事を書いた人
公認会計士試験合格後、PwCあらた有限責任監査法人(現PwC Japan有限責任監査法人)の金融事業部へ入社。
会計監査・内部統制監査・アドバイザリー業務に従事。
監査法人退所後は会計コンサル会社に勤め、経理支援やシステム導入に従事し、経理現場の改善に務める。
その後、公認会計士・税理士として独立開業。
1.【結論】効率化が必要な業務については、なるべく上流から手を加える
業務の効率化を行うに当たり大切なポイント、それは
✅️なるべく上流工程から手を加える
です
実際に事例を交えて説明しましょう。
2.事例その1 ~古い部門コード~
実際に事例を交えながら説明します。
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【事例その1】
A社は小売業を営んでおり、毎月システムから購買データをcsvで出力し、EXCELで一部加工したうえで、会計ソフトにデータを取り込んでいる。
しかし、購買システムから出力されるcsvデータの一部の取引について部門コードが古く、csvデータを取り込んだ後に会計ソフト上で手修正を行っている。
この手作業により、半日の時間を費やしている状況。古いコードに対応する最新のコードがなにかを調べるのが手間。
実際の作業工程のイメージは以下の通り。
①購買システムより会計ソフトへ取り込むためのcsvを出力する
⇩
②会計ソフトへ取り込むために、EXCELでcsvデータを加工
⇩
③会計ソフト上で古い部門コードを手修正
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みなさんはこのプロセスを聞いて、どう効率化を図ろうと思いますでしょうか。
先程の「なるべく上流工程から手を加える」という法則に立つなら、手を加えるべきは購買システムでしょう。
具体的には、購買システムの部門マスタコードを最新にするべきです。
一方で、一番やってはいけないのは下流工程の手修正を効率化するという方法です。
例えば、「調べる手間を省くため、手元で見るための古いコードを最新コードの対照表を作って、それを見ながら修正する」みたいな方法は避けましょう。
確かに工数は削減できるかもしれませんが、その場しのぎでしかないですし、人が確認するため間違いも起こり得ます。
また、「EXCEL上で最新コードに修正するための関数式を加える」のもおすすめしません。
加工用のEXCELが複雑化してしまうと、引き継ぎがしづらくなります。いわゆるEXCEL職人と呼ばれる人ほど作りがちですが、そういったファイルは属人的になりやすいのと、EXCELのメンテナンスができる人材が必要になります。
そのため、最もシンプルな購買システムの部門マスタコードを最新にするという方法が最適と言えるでしょう。
3.事例その2 ~集計が難しい請求書項目~
もう1つ事例を見てみましょう。
先程の話を踏まえて、実際にどこから手を付けるか、考えてみてください。
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【事例その2】
B社は飲食業を営んでおり、都内にいくつも店舗を展開している。
店舗はそれぞれ食べログのような予約プラットフォームサイトに登録しており、そのサイトから毎月請求書が送付される。
ここで、B者は店舗ごとにかかったプラットフォーム利用料(=広告宣伝費)を管理会計の観点から店舗別に計上したいが、その請求書は明細が店舗ごとではなくエリアごとに分けられている。
そのため、プラットフォームのサイトより利用データをダウンロードし、請求書の金額から店舗ごとの利用料をEXCEL上で再計算しているが、このデータ加工に時間がかかっている。
その後、再計算した金額をEXCELで作成したcsvを通じて、会計ソフトへ入力している。
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いかがでしょうか?
みなさんでしたら、まずどういったアクションを通じて、この作業を効率化しますか?
先ほどの「なるべく上流工程から手を加える」ということを踏まえて、考えてみましょう。
おそらく、データ加工に時間がかかっているという部分だけに着目してしまい、EXCELをアップグレードして加工手順を少なくする、といった考えをする方もいるかと思います。
しかし、ここで最初にするべきことは「プラットフォームを運営する会社に、明細を店舗ごとに分けることができないか、その分けたデータをもらえないかのヒアリング」です。
たしかにEXCELをアップグレードすることで加工の工数は早くすることができます。
しかし、そもそも店舗別の明細データを最初から貰えるのであれば、集計する必要なんてなくなります。
このように、まずは「加工する」といった作業よりも上流の「請求書を受領する」というプロセスに焦点をおいて、効率化案を考えるべきです。
一見、文章にすると当たり前のことを言っているように見えますが、実務で見落とすかもしれない部分でもあります。
3.経理作業を効率化して無駄な作業を少なくしよう
いかがだったでしょうか?
経理作業を効率化することで、毎月の営業成績を早いタイミングで把握できますし、余計な人件費を削減することにも繋がります。
この記事が皆さんのお役に立てますと幸いです。
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この記事を書いた人
公認会計士試験合格後、PwCあらた有限責任監査法人(現PwC Japan有限責任監査法人)の金融事業部へ入社。
会計監査・内部統制監査・アドバイザリー業務に従事。
監査法人退所後は会計コンサル会社に勤め、経理支援やシステム導入に従事し、経理現場の改善に務める。
その後、公認会計士・税理士として独立開業。
最終更新日:2024年7月27日
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