開業前にやっておくべき節税策3選【プロが解説】

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節税というと、開業した後や売上が上がった後にするものという認識がありますが、実は会社を立ち上げる前にできる節税策もいくつかございます。

そこで今回は、「開業前にやっておくべき節税策3選」を解説していこうと思います。

【この記事で分かること】

✅️節税の意義と種類
✅️するべき節税としないほうがいい節税
✅️節税のメリット・デメリット
✅️節税する際の注意点
✅️開業する前に行っておくべき節税策

この記事を書いた人

公認会計士試験合格後、PwCあらた有限責任監査法人(現PwC Japan有限責任監査法人)の金融事業部へ入社し、会計監査・内部統制監査・アドバイザリー業務に従事。監査法人退所後は会計コンサル会社に勤め、経理支援やシステム導入に従事し、経理現場の改善に務める。その後、公認会計士・税理士として独立開業し、株式会社Lessおよび金子佳祐公認会計士・税理士事務所を創業。

1.節税の意義と種類

節税と脱税の違い

まずはじめに、よくある質問としてよくある節税と脱税の違いについて説明します。ここを間違えて脱税してしまうと犯罪行為になりますので、必ずご理解ください。

脱税というのは、法に反した方法で税金を免れることです。

例えば売上をごまかしたり、架空の経費を計上するなどがこれに当たります。

例え違法であることを知らずとも、立派な犯罪行為ですので、こういった行為は絶対にやめてください。

一方で節税とは、方で認められた範囲の中で、税金を軽減することをいいます。

最近であれば個人がiDeCoを積み立てることで、支払う税金を安くできる制度がありますが、こういったものが節税です。

脱税は違法行為、節税は国が認めたものと覚えておきましょう。

節税の種類

節税には大きく分けて、①お金が貯まる節税と②お金が貯まらない節税の2つございます。

まずお金が貯まらない節税とは、例えば決算直前になって所得を少なくするために、広告宣伝費などの経費にお金をかけることです。

この方法の特徴として、費用の計上を通じて所得が減ることで支払う税金は減りますが、結果的に現金の支出額は多くなってしまいます。

例えば1,000円の所得に対して税率が30%の場合、支払う税金は300円です。

ここで節税のために経費を600円使うと所得は400円になります。

すると所得400円に対する税金は120円(400円×30%)になりますが、一方で現金の支出額は720円(600円+120円)になり、結果的に現金を多く支払うことになるでしょう。

一方でお金が貯まる節税とは、現金支出をせずに支払う税金だけ減らせる節税のことです。

ここまでで節税の種類と意義を説明しましたが、実際に節税を考えているときは、①お金が貯まる節税から考えるべきでしょう

仮に②の方法で節税できたとしても、結果的に無駄な現金支出が増えてしまい本末転倒になってしまうからです。

2.節税の方法はどんなものを選ぶべき?

それでは節税の方法はどんなものを選ぶべきでしょうか。

メリット・デメリットを踏まえて解説していきましょう。

節税のメリット

節税のメリットは、合法的に税負担を軽減することで資金的な余裕が生まれて、他の投資などに資金を回せることでしょう。

ただし、これは先ほどの①お金が貯まる節税によるもので、②お金が貯まらない節税には次のようなデメリットがあります

②節税のデメリット

節税のデメリットとして、②お金が貯まらない節税をすると、資金繰りが悪化するおそれがあります。

過度に経費を払うより、普通に納税したほうが結局手元の現金は多く残ります。

また、経費を計上して所得が少なくなると決算書の見栄えが悪くなり、銀行融資の際の評価が落ちて融資を受けられなくなったり、低金利での調達が難しくなります。

実際に税金をきちんと支払っている会社は、銀行からすればそれだけの余裕があると評価も得られます。

そのため、将来銀行からの融資を考えている人は、銀行から評価される決算書を作るためにも、過度な節税は控えましょう。

3.開業前にやっておくべき節税策3選

開業前からできる節税策は以下のとおりです。

①産業競争力強化法に基づいた創業支援を受けて登録免許税を半額にする
②開業費を集計しておく
③現物出資を行う

順番に解説します。

①産業競争力強化法に基づいた創業支援を受けて登録免許税を半額にする

開業する際に会社設立をする場合、産業競争力強化法に基づいた創業支援を受けることで、会社設立にかかる登録免許税を半額にすることができます。

通常、株式会社を設立する場合の登録免許税は15万円~ほどかかりますが、これが半額になるので7.5万円で済むことになります。

ただし、この支援を受けるまでに通常2ヶ月ほどかかるので、開業・創業前に早い段階で動くのがオススメです。

例えば杉並区であれば、杉並区産業振興センターを通して申請を受け付けてますので、これから会社を立ち上げようとする方は相談してみるのがいいでしょう。

※参考記事『【税理士が教えます】高円寺で創業・開業する場合いくら必要? ~起業前の資金準備~』

開業費を集計しておく

開業費とは、開業前にかかった経費のことをいいます。

「開業前」とは、個人でいうと開業届を出す前、会社ですと会社設立前にかかった経費になります。

開業費の例は以下のとおりです。

✅️開業する人へ向けたセミナー代金
✅️開業前の宣伝に使った広告宣伝費
✅️開業前の情報収集として購入した書籍代
✅️事業に必要な免許・資格の取得費

もしあなたが既にこういったものにお金を使っているなら、それは開業費として計上する余地があります。

開業費の金額は、開業時に資産計上し、その後任意で償却(費用化)することで、所得を減らし節税が可能です。

既に支出済みの金額ですので、新しく経費にお金を使う必要も有りません。

そのため、開業前に使った経費はしっかりと領収書を残したうえで、集計しておくようにしましょう。

※具体的にどんな経費が開業費に当たるかは判断を伴う部分もあるので、税理士と相談することをおすすめします。

③現物出資を行う

現物出資とは、金銭の代わりに車や不動産などの資産を出資することをいいます。

こういった資産を出資することで、開業後にその資産を減価償却(費用化)することができ、所得を減らし節税が可能になります。

現物出資できる資産の例は以下のとおりです。

✅️自動車
✅️パソコンやタブレットなどの機器
✅️建物
✅️機械などの設備

もしこういった資産を既に持っているのであれば、それを出資することで将来的に節税が可能になります。

また、資本金の金額も増やせるので、決算書の見栄えも良くなるでしょう。

出資する際の金額ですが、例えばパソコンであれば中古市場などを参考に適正な値付けで出資しましょう。

もし不明な点があれば税理士と相談しながら決定することをおすすめします。

4.まとめ

いかがでしょうか?

今回紹介した節税方法を活用することで、創業資金を安くでき、より事業に投資できるお金を増やせるようになります

創業する際は以上のような制度の活用を検討してみましょう。

また、弊事務所でも、これから開業される方に向けた、専門家による資金調達サポートや開業支援を行っております。

これから開業したいけど、何から初めていいか分からない」
「開業する時に使える融資や補助金のサポートをしてほしい」
「融資や開業だけでなく、記帳や申告もまとめて税理士に相談したい」

以上のようなお悩みを持つ方はお気軽にご相談ください。
事業主様のご状況に合わせたご提案をさせていただきます。

初回のご相談は無料で承っておりますので、お気軽にご相談ください。

最終更新日:2024年6月4日