4年落ちの中古車購入が節税になる理由を解説【税理士監修】

~⏰️この記事は3分で読めます~

よく節税案として「4年落ちの中古車を購入する」という方法が巷で紹介されています。

しかし、なぜ中古車を購入することが節税に繋がるか、あまり知られていないところでもあります。

そこで今回は4年落ちの中古車購入が節税になる理由について解説していきたいと思います。

【この記事で分かること】

✅️4年落ちの中古車購入が節税になる理由
✅️減価償却の意味
✅️中古車を購入して減価償却費を計上する際の注意点

この記事を書いた人

公認会計士試験合格後、PwCあらた有限責任監査法人(現PwC Japan有限責任監査法人)の金融事業部へ入社し、会計監査・内部統制監査・アドバイザリー業務に従事。監査法人退所後は会計コンサル会社に勤め、経理支援やシステム導入に従事し、経理現場の改善に努める。その後、公認会計士・税理士として独立開業し、株式会社Lessおよび金子佳祐公認会計士・税理士事務所を創業。

1.4年落ちの中古車購入が節税になる理由

結論から申し上げると、4年落ちの中古車を期首に購入(納車)することにより、その全額を減価償却費として経費計上することができます。

一般的に減価償却という処理は、購入した固定資産を各年度に分けて費用計上する処理だと知られています。

それではなぜ、4年落ちの中古車は減価償却費を全額その期に計上することができるのか、順を追って説明します。

①固定資産を減価償却する年数の決め方

通常、固定資産を減価償却する際の年数(耐用年数といいます)は、国税庁が公表しているこちらの耐用年数表に基づいて計算されます(ここで定められている年数を法定耐用年数といいます)。

例えば車両の耐用年数に関しては、貨物車など特殊なものを除けば6年と定められています。

そのため、一般的な用途の車を購入した場合は、6年かけてその金額を費用化することになります。

ただし一部例外がありまして、中古で購入した資産については法定耐用年数ではなく、使用可能期間として見積もられる年数によることとされています(国税庁HP「No.5404 中古資産の耐用年数」参照)。

そして、使用可能期間の見積りが困難であるときは、以下の簡便法という方法で算定した年数によることができます。

計算式:(法定耐用年数ー経過年数)+経過年数✕20%(1年未満の端数は切り捨て)
※ただし、取得価格の50%を超える改良費がある場合を除く

今回の節税方法で購入する車は中古車なので、上記の計算式が適用されます。

減価償却方法の種類

固定資産を減価償却する方法にはいくつか種類があります。

その中で最も用いられる方法が①定額法と②定率法です。

①定額法とは、固定資産の金額を耐用年数にわたり均等に費用計上する減価償却方法です。

そのため、①定額法によった場合の減価償却費は毎期均等に計上されることになります。

一方で、②定率法とは毎期均等ではなく、償却初年度に減価償却費を多額に計上して、その後指数関数的に償却費が減少するように費用を計上する方法です。

数値のイメージとして以下のように減価償却費が推移します。

縦軸が金額、横軸が年数、赤線が定率法による減価償却費、オレンジ線が定額法による減価償却費のイメージです。

そして、定率法による減価償却費は、以下のような算式で計算されます。

未償却残高×定率法の償却率=減価償却費

償却率=1÷耐用年数✕2

2024年5月現在200%定率法が採用されています

今回の節税方法では車両は定率法によって償却が行われます。

2.4年落ちの中古車購入の減価償却費はどのように計算される?(節税になる理由)

先ほど紹介した式を使って、4年落ちの中古車の減価償却費を計算したらどうなるか、実際に計算してみます。

法定耐用年数は6年、使用年数は4年なので、中古耐用年数は以下のように算定されます。

(法定耐用年数ー経過年数)+経過年数✕20%(1年未満の端数は切り捨て)

(6年ー4年)+4年✕20%=2年(1年未満の端数は切り捨て)

そして、ここで得られた耐用年数を定率法による減価償却のに当てはめると以下のとおりです。

償却率=1÷2✕2=

未償却残高✕1=減価償却費

上記の式から、未償却の残高の全額が減価償却費に計上できることになります(期中に取得すると月割の必要があるのでご注意ください)。

よくある質問

質問.車両の減価償却費は経費に落とせますか?

回答.基本的に事業に関連して使用している車両であれば、減価償却費として計上することが可能です。ただし、プライベートで車両を兼用している場合ですと、家事按分というプライベート分と事業分の費用を分ける必要があり、プライベート分の費用は計上することができません。

質問.会社名義でベンツやフェラーリなどの高級車を購入して、それを減価償却費として計上することは可能ですか?

回答.事業に使っているのであれば計上できる余地はありますが、事業遂行上の必要性を踏まえる必要があります。例えば、フェラーリなどの2ドアスポーツカーは通常のビジネスシーンにそぐわないため、事業遂行上の必要性を立証できず、税務調査で否認される可能性が高いでしょう。しかし一方で法人の事業として使用していることを客観的に証明できれば、計上できる可能性はあります。

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~対策例の一部をご紹介~

✅️役員貸付金の解消:役員貸付金の存在は、銀行から個人資金と会社資金が混合しているとみなされ、融資に悪影響を及ぼす危険がございます
✅️デッドエクイティスワップを通じた役員借入金の資本化:膨らんだ役員借入金は負債比率を増加させる要因となるため、融資を見据えるのであれば資本化などを通じて解消の余地がございます
✅️経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済)の資産計上:掛け金を損金に落とさず資産計上し、別表上で減算処理することで、節税対策をしつつ、これまで簿外となっていた資産の存在を示し、銀行への評価を上げることができます。(※申告する上で必要となる明細書は弊事務所で作成いたします)
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✅️節税提案

5.4年落ちの中古車購入が節税になる理由まとめ

いかがでしたでしょうか?

今回のような節税案の解説も含めて、弊事務所の顧問サービスではこういった経営アドバイスも行っております。

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最終更新日:2024年7月27日

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